食物繊維を豊富に含む脱脂カカオマスと脱脂カカオ豆外皮からKlasonリグニンを調製し,これらのKlasonリグニンと脱脂カカオ豆外皮の血圧や脂質代謝への影響について高血圧自然発症ラット(SHR)で研究を行なった. (1) 対照群の血圧は経時的に上昇したが,試験群は対照群に比較して有意な上昇抑制作用が認められた. (2) 試験群の血清総コレステロール濃度もまた対照群に比較して有意に低かった.HDLコレステロール濃度は変わらなかった. (3) 血清中性脂肪,血清リン脂質濃度及び肝臓脂肪濃度レベルに有意な違いは認められなかった. (4) 新しい食物繊維供給源としてカカオ豆外皮が有効である可能性が示された.