EPSに対する両添加剤の最適な仕込み比,効果的な処理温度,処理時間を検討した結果,MSMについては添加比が1のときに,MSDについては添加比が0.5のときにEPSの熱分解を促進させる効果が最大であった.処理温度は160℃前後で添加効果が最も発揮され,2時間程度で著しく分解が進むことが分かった.特に,MSMは溶剤,連鎖移動剤の両面でMSDより優れており,一方,リモネンは優れた溶剤であるが,連鎖移動剤としての効果が弱く,EPSの熱分解を妨げる傾向があった. 単分散性のオリゴスチレンをEPSの代わりに用いて熱分解を行い,EPSの初期の熱分解機構を提案した.すなわち,α-メチルスチレン類が共存する系でEPSの熱分解はエンド的に進行し,付加-開裂型の連鎖移動反応を伴う分解機構により,両末端に二重結合とメチル基を併せ持っオリゴスチレンが生成しやすいことが分かった.