地域特産農作物の高付加価値化研究の一環として,秋田県鹿角市の「しぼりダイコン」に注目し,すりおろしで生成する辛み成分の本体であるイソチオシアナート(芥子油)の化学構造を検討するとともに,品質評価に利用可能な定量分析方法を開発した.その結果,30本中4本から,4-メチルチオブチルイソチオシアナート(2)が主芥子油として存在していることを確認した.また,残りの26本のしぼりダイコンでは,主芥子油1が,個体間で含量に大きなばらつきが認められたものの,他のダイコンに比べて多く含まれており,化学的にしぼりダイコンの辛みについて,その特徴を明らかにすることが出来た.