著者らは,野草から新しい防臭あるいは消臭成分を見出すための予備的な探査研究として,特に身近に自生する20種類の野草について,悪臭指標物質であるCH3SHに対する消臭活性を求めた.消臭活性はCH3SHに対する消臭率をヘッドスペースガスクロマトグラフ法により求めた.それらの中で顕著な消臭活性を示したのは,タンポポ,オニノゲシ,ノアザミ,クマザサ,スギナ,ドクダミであり,それぞれの消臭率は97.5%,88.6%,90.2%,87.5%,93.7%,98.3%であった.これらの野草の消臭性に関する報告は,これまでにドクダミ以外には見あたらない.