冷麺包装後の加熱殺菌処理並びに6ヶ月間保存中の色調の変化を調べ,以下の結果を得た. (1) 加熱殺菌温度が100℃を越えるとL*値は急激に低下し,a*,b*値は急激に増加し,褐変現象が見られることから,冷麺のレトルト殺菌温度での加熱は好ましくないことが分かった. (2) 保存温度が高いほど,冷麺の色調変化が激しく,時間の経過とともにL*値は低下し,a*値は増加する傾向を示した,b*値は2℃または20℃ではあまり変化しなかったが,30℃では増加傾向を示した. (3) 脱酸素剤を使用することにより色調の変化は大きくなり,保存温度が高いほどその効果は増幅された.脱酸素剤の使用による効果を色差(ΔE*ab)により比較すると,6ヶ月保存後では保存温度2℃, 20℃, 30℃の場合それぞれ,0.9, 2.1, 3.1倍であった. (4)L*a*b*が変化のパターンを比較することにより,加熱による変色と長期保存による変色は同一のメカニズムで起こるものと推測された. (5) 以上のことから,冷麺の色調は保存温度や酸素濃度により影響を受けるため,これらの条件を考慮した保存方法を採用する必要性が示された.