硬水で緑茶を浸出すると,白色の沈殿を生成することが知られている.この白色沈殿の13C-NMRスペクトルは,シュウ酸カルシウムスペクトルと一致した.また,新たに開発したキャピラリー電気泳動法により分析したところ,緑茶硬水浸出液のシュウ酸濃度は,蒸留水浸出液中のシュウ酸濃度より低かった.これらのことから,白色沈殿がシュウ酸カルシウムであることが判明した.さらに,シュウ酸が茶の渋味に寄与している可能性について考察した.