ダイコンの加熱による軟化速度と柑橘ペクチンの加熱による分解速度を90℃~110℃の温度範囲で測定し,両者の関係を速度論的に比較した. (1) 加熱によるダイコンの軟化は,90℃~110℃の温度範囲で一次の速度式に近似した. (2) 加熱による柑橘ペクチンの分解は,90℃~110℃の温度範囲で一次の速度式に近似した. (3) 加熱によるダイコンの軟化速度と柑橘ペクチンの分解速度は,90℃~110℃の温度範囲でアレニウス式に従い,みかけの活性化エネルギーは,それぞれ146kJ・mol-1と144kJ・mol-1でほとんど等しかった.このことから,ダイコンの軟化はペクチンの分解によって支されている可能性が高い.