(1) 各種難水溶性アルコール共存下でのダッタンそば由来ルチン分解酵素(RDE)I,IIの安定性と反応性を調べた.RDEは,1-ヘキサノール,1-ヘプタノール,1-デカノールといった炭素鎖長の長いアルコール20%(v/v)共存下においても高い安定性を保持していたが,反応性は,炭素鎖長とともに低下した. (2) 各種難水溶性アルコール10%(v/v)共存下でのRDEによるルチン分解反応生成物について,Asahipak NH2カラムを用いたHPLC分析を行ったところ,ルチノースと異なる位置に現れる新規な生成物が検出され,またこの新規生成物の溶出時間はアルコールの炭素鎖長が長くなるほど速くなった. (3) 13C NMRによる構造解析により,1-ペンタノール,1-ヘプタノール,1-デカノール共存下でのRDEによるルチン分解生成物を,それぞれペンチルβ-D-ルチノシド,ヘプチルβ-D-ルチノシドおよびデシルβ-D-ルチノシドと同定した.