白玉麩をモデルとして,焼麩の比容積と組織構造の形成に及ぼすグルテンと合わせ粉の配合について検討した.G/F=500/300,450/350で大きい比容積の膨化物が得られ,散水量の効果は400/400のときに比べると小さかった.合わせ粉として小麦でん粉を使用すると全体比容積は小さくなり,合わせ粉に含まれるタンパク質がグルテンドウを形成する上で重要な役割を果たすことが明らかになった.グルテン単独では空洞化し,ガラス質化した膨化物しか得られず,合わせ粉として粉末グルテンを使用すると空洞化した膨化物となったことから,合わせ粉のでん粉が焼麩特有の蜂の巣構造を形成するために重要な役割を果たしていることが推測された.なお,膨化物の微細構造の観察結果から,粉末グルテンを合わせ粉として使用すると膨化は中心から進行するものと考えられた.一方,グルテンの割合が高い膨化物は比容積と気泡は大きく,合わせ粉の割合が高くなると比容積が小さく,気泡が微細化し緻密になること,及び前者では破断強度が小さく,歪みが大きく,後者では破断強度が大きく歪みが小さくなることから,製品の種類毎に配合を変更することの重要さが明らかになった.