めんの乾燥中の力学的性質の変化および茹めんの物理的性質の変化に及ぼす調製条件の影響ついて検討し,次の結果を得た. (1) 乾燥中のめんの水分含量に対する曲げ強度と曲げヤング率の対数値は乾燥初期に急激に増加し,漸次緩慢に,上に凸の形で増加した.しかし,生地を酸化あるいは生地pHを7よりアルカリ側にしためんでは,曲げ強度および曲げヤング率は凹状に増加した. (2) 乾めんの曲げ強度および曲げヤング率は食塩や乳化油脂を添加すると減少した.生地の加水量42.5-45.0%で乾めんの曲げ強度は高い値を示したが,曲げヤング率に対する加水量の影響は小さかった.生地の熟成および生地の酸化あるいは還元が乾めんの力学的強度に対する影響は小さかった.生地のタンパク質含量が増加すると力学的強度は増加した. (3) 茹めんの切断強度は乾燥の進行とともに水分含量25%付近まで低下し,さらに乾燥すると再び増加した.食塩添加量が増加すると,茹めんの切断強度が最低値を示す乾燥中のめんの水分含量が低下した.生地の熟成は乾燥中のめんの水分含量25%以下で効果がみられ,茹めんの切断強度は増加した.生地の酸化と還元が乾燥中のめんの茹めんの切断強度に対する影響は小さかった.乳化油脂を添加すると茹めんの切断強度は減少した.生地pHがグルテンの等電点の7付近からアルカリ側の生地から調製した乾燥工程中のめんの茹めんの力学的強度は,より低いpHの生地からのめんよりも高い値を示した.