紅麹,黄麹及び両者を併用した混合麹で調製したとうふようの熟成過程における物性と組織構造の変化について検討した. (1) 熟成過程でとうふようの破断応力,破断エネルギーは減少した. (2) とうふようの各粘弾性係数は熟成時間の経過に伴い減少した.熟成90日目におけるとうふようの各粘弾性係数は,クリームチーズかあるいは軟質型のプロセスチーズに類似あるいは近似した値を示した. (3) とうふようの微細構造を電子顕微鏡で観察した結果,脂肪球のところどころで結合しているタンパク質の網目構造が観察された.とうふようのボディーを形成しているタンパク質は,熟成過程で太い繊維状から小さな粒子が連結した構造に変化した.