日本,中国,米国産の大豆を用いて,浸漬温度と静水圧を変えて吸水実験を行い,吸水に関し速度論的に解析し,吸水機構にも触れた. 1) 日本,中国産大豆は,米国産に比べ吸水し易く,したがって,平衡吸水量も大きい.平衡吸水量は,浸漬温度によって,米国産は変わらないが,浸漬温度の高いほど低くなった. 2) 大豆の吸水による膨潤は,浸漬前後の大豆粒の短軸比の平均値が1.21,長軸比の平均値が1.73であって,どの大豆も長軸方向に膨潤し易い. 3) 吸水量はで表される.ここで,m=(C-C0)/(C∞-C0) (Co:初期重量,C∞:平衡吸水重量,C:浸漬時間tにおける吸水重量),kは吸水速度定数,αは吸水の補正係数である. 4) 吸水速度定数k,吸水補正係数αは,浸漬温度T(絶対温度),絶対圧力Pとの関数として,次のように表される. ここで,A′, ΔE′, A, B, C, D,は定数で,Rgはガス定数である.ΔEは吸水の見掛けの活性化エネルギーである. 5) 各国大豆の吸水に関する見掛けの活性化エネルギーは,温度範囲20~40℃でそれぞれ4.7(日本),