(1) エタノール共存下でのRDEによるルチン分解生成物をHPLCにより分析したところ,ルチノースと異なる溶出位置に生成物が現れた.本生成物は,13CNMRによる構造解析により,エチルβ-ルチノシドと同定された. (2) RDEのルチン分解活性に及ぼすエタノール濃度および温度の影響を調べたところ,15%(v/v)エタノール,50℃においてそれぞれ最も高い活性値を示した. (3) RDEによるエチルβ-ルチノシド合成条件の検討を行ったところ,30%(v/v)エタノール,1~2%ルチンおよび40℃の条件下で最も多量のエチルβ-ルチノシドの得られることがわかった.本条件下において,50gのルチンから23.0gのエチルβ-ルチノシドの結晶標品が得られた. (4) エチルβ-ルチノシドの簡易な生成系として,ダッタンそば粉に直接エタノール水溶液を添加する方法を考案し,20gのダッタンそば粉に15%エタノール水溶液を10ml添加したところ,133mgのエチルβ-ルチノシドが得られた.