貯蔵に伴うクロロフィル(Chl)の分解機構を明らかにするため,ミツバを使用し,Chlとその分解物の変化を調べ,さらにChlの分解に関与する酵素活性についても検討した. ミツバの葉におけるChl含量は,25℃貯蔵の黄化に伴い急減した.Chl分解物としてクロロフィリッド(Chlide)aおよび132-ハイドロキシクロロフィルaが検出されたが,25℃貯蔵中,両含量とも少量で,増加は認められなかった.クロロフィラーゼ活性は25℃貯蔵に伴い急増し,一方ペルオキシダーゼ活性は急減した.リポキシゲナーゼは,1℃ならびに25℃貯蔵に伴い増大がみられた.さらに,クロロフィラーゼ,ペルオキシダーゼ,リポキシゲナーゼおよびクロロフィルオキシダーゼなど,Chl分解に関連する酵素活性が,ミツバから分離されたクロロプラストに認められた.