(1) ダッタンそばに含まれるルチン分解酵素(RDE)I, IIの反応性を高めることを目的として,各種水溶性有機溶媒20% (v/v)共存下でのRDE I, IIのルチン分解活性に対する影響について検討したところ,水溶性有機溶媒無添加に比べて,水溶性有機溶媒共存下では,ほとんどの場合活性が上昇し,特にメタノール共存下では,無添加時の3-4倍の活性値を示した. (2) RDEのルチン分解活性におよぼすメタノール,DMSO濃度の影響を調べたところ,RDE I, II共にメタノール10-20% (v/v), DMSO 5% (v/v)の濃度で最も高いルチン分解活性を示した. (3) メタノール,DMSO共存下でのRDE I, IIによるルチン分解反応生成物のHPLC分析を行ったところ,DMSO共存下での反応生成物がルチノースの溶出位置に現れたのに対し,メタノール共存下での反応生成物は,ルチノース,グルコース,ラムノースの三種とは異なった溶出位置に現れる物質であった.この生成物は,13 C-NMRによる構造解析により,メチルβ-D-ルチノシドであることがわかった.