(1) 加熱豆乳に各種の酸類を加えて得られる凝固物の性状を比較した。いずれの酸でもpH 6.0で完全な凝固を起こし,酸の添加量の増加とともにpHが下り,凝固物の性状は堅くなる。 (2) 加熱豆乳に各種塩類を加えて得られる凝固物の性状を比較した。完全凝固を起こすための所要量(mM)はイオン価数の多いものほど少なくてよく,Na, K塩では完全な凝固は起こらず,とくに沃化物およびロダン塩では凝固は全く起こらない。 (3) Ca, Mg塩による凝固物は上澄のpHが同一の場合他の塩類および酸類より堅さが高い。堅さの最高値は,他の塩類より低く,またそのときのpHは5.4付近であるから他の塩類よりかなり高い。 (4) Cu, Ag, Al, Fe,その他の金属塩溶液はそれ自身pHが低く,酸に似た性状変化を示すが,堅さの最高値が酸より高く,金属イオンの影響が推定される。