甜菜の導入2号を用いて,春季に収穫した場合の貯蔵の可否と,ベルビタンK,ならびにMH-30の処理による貯蔵中の変化を検討するため,4月から5月下旬の1.5ヵ月間にわたり,広撒状態にして試験を行なった。その結果を要約するとつぎのとおりである。 1. 春季における甜菜の広撒貯蔵は,根重の減少がいちじるしく1.5ヵ月間で収穫時の約50%に減少した。 2. 通気あるいは甜菜の成熟のためか,1.5ヵ月間の貯蔵では糖度,純糖率はほとんど低下せず,とくに冠部付区は各区の中でもっともよかった。 3. 転化糖は当試験では,あまり増加しておらず,収穫時の0.097%のものが0.12%前後であった。 4. 水溶性窒素は貯蔵中にやや減少の傾向がみられた。 5. ベルビタンK,およびMH-30などの効果は,従来の堆積貯蔵と異なったためか,いちじるしい差は見られなかった。