AwとpHがB. coagulans胞子の耐熱性に及ぼす影響を調べた.供試胞子は,任意のAw値およびpH値に調整した培地中で加熱し,そのまま後培養した.発育可能最小pH値は,Aw約1のとき,4.5,発育可能最小Aw値はpH7.0のとき,塩化ナトリウムでは0.98,塩化カリウムでは0.97~0.98,ショ糖では0.94,グリセリンでは0.92であった.溶質に塩化ナトリウムを用い,Aw (0.98~1)とpH (4.5~7.0)の組み合わせ条件とみかけのD値との関係を調べ,得られた結果を重回帰分析し,任意のAw値とpH値におけるD値を推定するための数式を示した.