中等度の品質の精粉について,その水溶液をアルカリ(カセイソーダまたは消石灰)処理してグルコマンナンを不溶性にする方法および50%エチルアルコールで分画する方法によって,精粉を不溶性画分と可溶性画分とに分け,各画分について分析し,つぎの結果が得られた。 (1) 精粉のチッ素成分の大部分は,吸着あるいは混在によるもので,グルコマンナンに結合して存在する部分があるとしても,きわめてわずかである。これは,リン酸についてもほぼ同様である。 (2) 精粉のチッ素成分のうち,20~26%がアミノ酸およびアンモニアとして定量された。可溶性画分には,高分子たん白質は検出されず,アミノ酸および低級ペプチドから成ることが認められた。 (3) 可溶性画分のアミノ酸分析によると,セリン,アスパラギン酸,アラニン,グルタミン酸が多く,メチオニン,シスチン,チロシンは検出されなかった。また,酸加水分解に安定な5種の不明ニンヒドリン陽性物質が検出され。