B型粘度計の精粉の優劣判定への適用性について検討し,あわせて精粉の一般成分および溶解状況について吟味し,つぎの結果を得た。 (1) 精粉の一般成分を見ると,一般に,良い精粉は,悪いものに比べ,糖質つまりグルコマンナンに富み,反面,灰分やチッ素が少ない傾向が認められる。 (2) 溶解速度つまり最高粘度に達する時間は,精粉によって異なり,良いものは,悪いものに比べて長く,また,古いものは,新らしものに比べて長い傾向が認められる。 (3) 精粉の優劣は,水溶液の流動性を,B型粘度計で検討することによって,判定できる。すなわち,B型粘度計によって,約1%溶液の見かけのずり応力とずり速度を求め,それらの値をプロットして描かれる流動曲線,N乗則およびRABINOWITCH-FERRYの式への適合性を吟味することにより,η', k, nおよび降伏値などを数量的に表現でき,客観的な取扱かいができる。 (4) η', kおよび降伏値は,よい精粉が大きく,nは逆に悪い精粉が大きい。 (5) 実用的観点から,1%溶液のη'とη'=100を与える溶液濃度との関係を求めたところ,つぎの関係が得られた。 η'=102.4C-3.40 (6) η'と測定温度との関係は,ANDRADEの式に従う。