丸大豆を室温で水に浸漬してから,110℃に60~70分オークレーブで蒸煮した。原料大豆,浸漬液,蒸煮液,蒸煮大豆について糖類を定量的ペーパークロマトグラフィーにより分析した。この加熱によって明らかに少糖類の一部が加水分解して還元糖が浸漬液,蒸煮液に移行するほか,蒸煮大豆にも丸大豆に比べて多く含まれる。還元糖としてはフルクトースとグルコースであり,ガラクトースも微量認められた。蒸煮により大豆のおもな3種の少糖類(サッカロース,ラフィノース,スタキオース)は減少する傾向を認めた。なお蒸煮により全糖は減少した。 この研究に協力された助手多田稔氏(現在香川県明善短期大学助教授)に感謝する。なおこの研究は米国農務省委託研究(UR-All-(40)-12; FG-Ja-105)の一部である。 この要点は第13回日本食品工業学会大会(1966年4月19日東京都千代田区科学技術館)で発表した。