(1) 条件さえ適当に選べば,卵黄を加熱したり,変性剤で処理した場合には,容易に流動性に変化が起こりゲル化する。しかし,この場合の流動性は,凍結解凍卵黄の場合とは異なり,流体流動であり,チキソトロピー性は認められない。 (2) 水,食塩,蔗糖,酸またはアルカリ容液を添加して加熱した場合の卵黄の,添加物の量の増加に伴う粘度変化の傾向は,同じ添加物が存在する場合の卵黄を凍結解凍した場合の粘度変化の傾向とほぼ等しい。 (3) 前報ならびに本報の実験結果をもとにして,凍結解凍後に卵黄が示す流動性と,加熱または変性剤処理卵黄が示す流動性の関連性につき考察を行なった。