-10°, -20°および-196℃でそれぞれ凍結し,解凍した卵黄の流動性を,ダブルコーン型粘度計を用いて測定し,つぎの結果を得た。 (1) 凍結しない卵黄は,ニュートン流体に近い流動性を示すのに対し,凍結解凍後の卵黄はすべて非ニュートン流動性を示した。しかし,その内容は凍結条件によって異なり,-10℃で20時間以上あるいは-20℃で2時間以上の凍結により塑性流動性を示した。また,-196℃では,凍結時間をのばしても流動性にはあまり変化がみられなかった。 (2) 卵黄の凍結による流動性の変化に対しては,グラニュール区分よりもプラズマ区分の寄与が大きいことが認められた。 (3) 卵黄に水を添加して凍結した場合には,凍結後の流動性の変化は著しく小さくなるのに対し,大豆油,オボアルブミンを添加した場合にはあまり大きな影響はなかった。