菓子類に含まれる構成糖類を,分別定量する目的で従来のフェノール硫酸法を再検討して,これをつぎのように改良した。 試料糖液(10~100γ/ml含有)1mlを試験管に採り,試薬調製後5℃で3日間以上エイジングした7%フェノール試薬0.5mlを添加する。よく混和して7.5~12.5分の間にさらに85%硫酸6mlを静かに加える。水冷しながら十分混合後,沸騰湯浴中で10分間加熱し,冷水中で冷却後30~120分の間に490mμの波長で吸光度を測定する。 以上の条件で測定してブドウ糖など,各種標準糖液の場合,1.5~2.0%以下の誤差で測定できた。またペーパークロマトグラムから溶出した溶出液について定量した結果4%以下の誤差で測定できた。したがって,この方法は菓子類の糖構成を知るための分離定量法として適当と考えられる。