(1) HAはpH 7.0のMcIlvaine緩衝液中できわめて良好な酸化波を示し,濃度と波高との間に比例的関係を有するため定量が可能である。 (2) pH 6.0, 7.0でHAはAAおよびEAの定量を妨害するが,pH 5.0ではHAとこれらとは2段の分離波となるため同時定量が可能である。 (3) なおpH 6.0~7.0でHAとAAとは合波となるが,EAとは0.08Vの差で2段の波となるため,HAを共存させることにより,AAとEAとの識別が可能である。 (4) HAとヒドロキノンが共存する場合は,合波となるため,定量に際してはこれが分離を必要とする。 (5) HAは加熱処理によっても,銅イオン添加によっても安定度にはなんら変化は認められず,硝酸銀のごとき酸化剤を加えても酸化されないことをo-フェニレンジアミン縮合物のポーラログラムをとることによって明らかにした。 (6) 今後はHAとヒドロキノンとの分別定量について検討するとともに,実際試料中のHAの定量についても検討したいと思っている。