(1) 組織切片の呼吸はスライスの大きさが小さいほど呼吸量が大きい。またagingによって呼吸量は減少する。 (2) バナナは収穫後典型的な呼吸のclimactericriseの現象をもつ果実で,追熟に伴って果肉組織のRQが増大する。 (3) 普通,植物ではEMP経路が解糖系の主経路であるとされるが,バナナは緑熟果では他の系が主体で追熟に従ってEMP経路の占める割り合いが大きくなる。 (4) 緑熟,黄熟果ともTCA cycleの存在が認められる。ピルビン酸の添加効果の結果からみて追熟に従って脱炭酸反応の系が活性化されることがうかがわれる。 (5) climacteric peakの前後でDNPの添加効果が変り,この間に呼吸の質的変化があることが明らかである。