ショ糖を主体とした種々の混合液糖の固型物量測定法として,乾燥法,比重法,屈折率法を比較検討した結果,下記の結果を得た。 (1) ブドウ糖溶液はショ糖溶液よりも低い比重を示し,ブリックス度として表わすときは,真の固型物量よりも小さい数値を示す。両者の混合溶液は中間的な数値を示す。 (2) レフブリックス度もブリックス度とほぼ同じ関係にある。 (3) 液糖の固型物量測定法として,プラスチックス・フィルム法を用いる場合は,90℃ 5時間,95℃ 4時間の条件が適当と思われる。混合糖液はショ糖単独の溶液よりも,水分は出にくいようである。果糖が存在するときは,熱による分解に留意すべきである。 (4) ブリックス度測定の際は,2倍希釈が適当である。 (5) ショ糖溶液は,乾燥法による固型物量とブリックス度がよく一致した。混合糖液では,乾燥法によるものが0.2~0.5%高い数値を示した。これは,ブドウ糖,果糖などの比重,屈折率がショ糖よりも小さいための影響と考えられる。混合率によりその数値が異なってくるが,ブリックス度で固型物量を表わすときには,この点に留意する必要があると思われる。