(1) 水溶液中:Ca++封鎖力は常温,加熱下ともにSPMP 2が最も強かった。Fe+++封鎖作用はSPPがすぐれていた。 (2) 食塩溶液中:常温では食塩濃度に関係なく,Ca++封鎖作用はいちじるしく増大した。Fe+++封鎖作用はSPMP 4が強かった。SPMP 2は熱に対して安定で,またCa++封鎖力も非常にすぐれている。 (3) ショ糖溶液中:Ca++封鎖力は糖濃度が高まると低下するが,Fe+++封鎖力は低下しなかった。SPPは常温,および加熱時に,強いFe+++封鎖力をしめした。SPMP 2, 4, 6のCa++封鎖力は,加熱によっていちじるしく促進された。 (4) 水飴溶液中:酸糖化水飴溶液中でのCa++,およびFe+++封鎖力は,麦芽糖化水飴溶液におけるよりも強い。加熱した場合は,両溶液においてFe+++封鎖力の低下がみられたが,Ca++封鎖力(酸糖化水飴溶液)は増大し,とくにSPMPの3点が目立った。