低温抽出脱脂大豆の蛋白(窒素)が種々のpHで抽出される状況を,塩酸またはカセイソーダ溶液を用い,温度と抽出液量を変えて調べたところつぎのような結果を得た。 (1) 抽出曲線は室温と室温以下(5℃, 10℃)ではいずれの液量でもほとんど違いなく,pH 4.5付近で抽出率はもっとも低い。 (2) 50℃, 70℃では50倍液量の場台,抽出曲線は室温とほとんど変りないが,液量が10倍量ではpH 4以下で抽出率の低下がみられ,とくに70℃でゲル化が起こった。また6倍量では50℃でも酸性側でゲル化がみられた。 (3) 80℃, 90℃抽出では50倍量で抽出曲線がpHの高いほうへずれる傾向がある。10倍量ではpH 4を中心とする難溶部の幅が広くなり,pH 3付近ではゲル化が顕著にみられた。