発酵終了後に回収されたスラリー状のビール酵母に対して,ジャーファーメンターを用いた連続ストレス試験を実施した.本酵母は飢餓状態にあり,この酵母に対する保存温度および保存中に攪拌が及ぼす影響を評価した.酵母スラリー中のタンパク質濃度,pH調査による細胞内液漏出物を用いた生化学的評価および形態観察結果から,以下の結論を得た. 4℃の低温において酵母は保存温度および攪拌強度によるダメージを受けにくく,酵母保存温度の上昇に伴い酵母はダメージを受けやすくなること.一定時間経過までは攪拌強度が酵母に及ぼすダメージは少ないが,一定時間経過後は攪拌強度が酵母に及ぼすダメージが確認され,そのダメージの大きさは温度が高い場合,攪拌強度が大きい場合に,より大きくなることが示された.