未分画ヘパリン(UFH)の純度試験法,およびUFH中のヘパリン(HP)以外のムコ多糖類(MS)夾雑物の工業的除去方法について検討した.過硫酸化コンドロイチン硫酸(OSCS),HP以外のMS,およびそれらの混合物不純物を含有するUFHナトリウム塩(OSHP-SH),HP含量を低減した粗OSCS (CSMS-CE1およびCSMS-CE2)について亜硝酸分解処理を行い,HPLC法により分解物の分子量分布を測定した.OSCS-STDは分解処理前後で分子量分布の変動はなく,分解抵抗性であった.OSHP-SH中の亜硝酸分解抵抗性物質の分子量分布はOSCS-STDと近かったが,粗OSCS中の分解抵抗性物質はCSMS-CE1およびCSMS-CE2の分子量分布はコンドロイチン硫酸B標準品に近かった.一方,UFH Na塩(UFN-SP),商業用のUFHナトリウム塩およびカルシウム塩について,EtOH分画処理を行った.各分画物をHPLC法と1H-NMR法により分析した結果,全ての検体で亜硝酸分解抵抗性物質は上清に移行し,HPはコロイド状沈殿物として濃縮された.以上の結果から,UFHの調製工程において亜硝酸分解/HPLC法による純度検査を行い,さらに,EtOH分画処理を実施することで,高品質なHP原料を安定的に調製できると考えられた.