乳児用成型ミルクを成分組成の異なるタンパク質性粉末食品数種と比較してESR測定を行った.乳児用ミルクは脱脂粉乳,コーヒー用粉末ミルク,乾燥全卵より強いESR信号強度を観測した.乳児用ミルクの緩和挙動から種類の異なるラジカル種の寄与が示唆された.構成成分の違いから考察すると,強い有機ラジカル種である,アスコルビン酸の含有量が乳児用ミルクにおいて突出しており,その寄与が推察された.乳児用ミルクでは成型でも粉末でも緩和挙動や緩和時間に差異は見られなかったので,成型処理により誘導されるラジカル種は粉末のものと同じであると考えた.すなわち,乳児用ミルクは,製法の違いによる新たなラジカル生成はないと考えた.