発芽蓮の実の機能性を明らかにするために,10%の発芽蓮の実粉末を含む実験試料を調製して,高血圧自然発症ラット(SHR/Izm)に10週間与え,血圧の変化,オープンフィールドテスト,血漿脂質,血糖値および糖代謝に関連するホルモンに及ぼす影響を調べた.発芽蓮の実摂取により,収縮期血圧は10週目で有意な低下を示した.また,オープンフィールドテストにおける中央部滞在時間は,発芽蓮の実の摂取により有意に長くなった.一方,発芽蓮の実摂取により,インスリン,C-ペプタイド,レプチンおよびレジスチンは有意に増加したが,血漿脂質や血糖値には有意な変化が示されなかった.これらのことから,発芽蓮の実の摂取は,血圧降下および情動行動に,何らかの影響を与えている可能性のあることが解った.しかし,血漿脂質や血糖値には,発芽蓮の実はほとんど影響しないと考えられた.