蛇状の耐圧性蓄圧管 (約94L) を有する連続式超臨界二酸化炭素処理装置を用いて, オレンジ, グレープフルーツ, ブドウ及びリンゴ果汁の殺菌及びペクチンエステラーゼ (PE) 活性の変化を検討した. 各果汁での殺菌効果は, 果汁とCO2を混合する高速ミキサーの回転数を400rpmで処理すると, 処理前に比較して1桁台の減少であったが, 800rpmにしたオレンジ果汁では一般生菌数は102オーダー, 酵母数は103オーダーに低下し, 殺菌効果の向上が見られた. また, PEは果汁によって差異は見られるものの, 処理前に比較して残存活性が0~34%に低下していた. SC-CO2処理 (ミキサー回転数800rpm処理) したオレンジ果汁について, 糖, 有機酸及びアミノ酸の化学成分を測定した結果, 処理前のものと比較して差異がなく, またSC-CO2処理果汁を5℃に保存したところ, 21日後でも微生物の増殖も抑制されており, 品質が良好に保持されていた.