1993~2006年に横浜市内の小売店より収去された鶏肉から分離された Salmonella Enteritidis 82株(国産鶏肉由来30株,輸入鶏肉由来52株)について薬剤感受性試験,ファージ型別,PFGE法による疫学的解析を行った.その結果,国産鶏肉由来株ではSM耐性が80%,輸入鶏肉由来株ではNA耐性が56%と薬剤感受性の傾向が異なっていた.なお,NA耐性は2003年以降増加していた.ファージ型別では1型が27%,4型が32%で全体の2/3を占めた.中国産鶏肉由来株は1型が,ブラジルおよびタイ産鶏肉由来株は4型が多く原産国別の違いが認められた.制限酵素 Bln Iおよび Xba IによるPFGEの解析結果では,国産と輸入鶏肉由来株の泳動パターンは大きく異なり, Bln Iでは類似度46%でクラスター分類が可能であった. PFGEの結果と,薬剤感受性,PTには特に関連性は認められず,年別,国別による違いも認められなかった.