埼玉県内4施設の食鳥肉処理施設 (カット工場) において, 作業開始前と作業終了後に鶏肉のカンピロバクター菌数を比較したところ, 3施設においては汚染菌数の増加はみられなかった. これらの施設では, 作業中に手指やまな板へのアルコール噴霧, あるいは適時, まな板の交換を行っていた. 一方, 同じまな板を用いてむね肉, もも肉, ささみの順で鶏肉処理を行った施設においては, 作業開始前には検出限界 (15 MPN/100 g) 未満であったささみの汚染菌数が, 作業終了後には46~375 MPN/100 gまで増加した. 一部の施設では, 菌汚染を減らすために作業開始前に鶏肉を-20℃, 20分間チラー処理して表面を凍らせたが, 特に菌数減少の効果はみられなかった.