コーヒー豆中の主要な細胞壁構成成分であるアラビノガラクタン (AG) について, このAGの腸内細菌による資化性を Bifidobactenum 属10種23株, Clostndium 属5種5株, Lactobacillus 属8種8株, Enterococcus faecalis 1株, Escherichia coli 1株の合計5属25種38株を用いて in vitro で調べた. 1. Bifidobacteriumlongum および Bifidobacterium pseudocatenulatum は, コーヒー豆由来AGを炭素源として添加, 培養することにより生菌数の増加, 培地のpHの低下, 乳酸, 酢酸の蓄積が認められた. このことからコーヒー豆由来AGはビフィズス菌に極めて特異的に利用されることが明らかとなった. 2. B. longum は菌体外酵素を生産し, コーヒー豆由来AGをアラビノース, ガラクトースおよび2糖と思われるオリゴ糖に分解・資化していることが示唆された. 3. コーヒー豆由来AGのヒトおよびラット消化液による分解性を in vitro で調べたところ, 人工唾液, 人工胃液, 人工膵液, 人工小腸液にほとんど分解されなかった. 以上のことからコーヒー豆由来AGは効果の高い新規のプレバイオティクスであることが示唆された.