密度の高いスギ高齢人工林を対象に, 1979年から2003年までの24年間に実施された全林毎木調査データを用いて,冠雪害の発生状況と傾斜度,林木サイズとの関係を調べた。ほとんどの冠雪被害木は成長の悪い斜面区に分布した。斜面区における冠雪被害木では,無被害木に比べて,形状比が高く,胸高直径,樹高が低い傾向にあった。冠雪被害木の形状比は,1林木を除いて,すべて70以上であった。胸高直径30cm以上の大径木から構成されるスギ高齢林においても,形状比70以上の林木では冠雪害を受ける危険性がある。