雄性不稔遺伝子をヘテロ型で保有するスギ個体を用いたモデルミニチュア採種園の造成 日林誌87:383~386,2005 雄性不稔遺伝子をヘテロ型( Aa )で保有したスギを用いて野外にモデル的なミニチュア採種園を造成した。雄性不稔苗( aa )の出現率から外部花粉混入率を推定した結果,約62%となり非常に高いことが明らかになった。しかし,このモデルミニチュア採種園から得られた種子の採取量,100粒重,発芽率,苗の初期成長ともに従来の採種園産の種苗より劣るものはなかった。これらのことから,ガラス室などを利用して園外からの花粉混入を防ぐことができれば,スギ花粉症対策として雄性不稔遺伝子を保有したミニチュア採種園の実用化は可能であると考えられた。