2004年2月22日から23日にかけて,北海道日高町では雨氷による森林被害が発生した。被害面積は約163haに達し,カラマツが被害面積全体の84%を占めた。本研究では,被害発生当時の気象状況を明らかにし,数量化1類によってカラマツ林の本数被害率と林況および地況との関係について解析を行った。22日から23日にかけての気象状況は,高度400mよりも上空では0°C以上の暖気層があった可能性が高く,これが標高の高いところでは雨氷害が発生しなかった理由と考えられる。斜面方位のスコアからは,北~北西の方位が高く,着氷後の風によって被害が拡大したことが示唆された。平均胸高直径のスコアからは,直径が25cmよりも大きくなると,被害が抑制される傾向が示された。