畑地周縁部における植栽木の生育状況を把握するとともに,立地環境(微地形,土壌の硬さ)との関連を明らかにするために,河岸段丘面上にある畑地周縁部に植栽されたアカエゾマツの樹高成長,仮比重,貫入抵抗の鉛直プロファイル,草本高の測定ならびに微地形測量を行った。アカエゾマツの樹高は植栽位置によりばらつきがあり,枯死木は全体の3~4割を占めていた。表層土壌における仮比重の平均値は,1.24Mgm-3であった。貫入抵抗プロファイルでは,深さ0.2~0.6mに農作業車両の走行で形成された硬盤層が確認された。過去3年間の伸長を目的変数,比高,仮比重,水分率を説明変数としたステップワイズ解析ではすべての変数が採用され,比高が低く,仮比重と水分率が高いほど伸長は低い結果であった。以上のことから,比高で表される微地形と硬盤層が土壌水分の過湿化を引き起こし,アカエゾマツの成長に悪影響を及ぼすことが考えられる。