幹表面積との関連から樹幹形に関する新しい測度を提案した。この測度は,樹幹上でのある位置における樹幹直径と等しい直径をもち,樹高と等しい高さをもつ円柱の側面積に対する幹表面積の比によって与えられる。このことより,提案した測度を「幹表面積に関する形数」と名付けた。スギとヒノキの試料を用いて,これらの形数を求めた。相対高0.4~0.6,0.8および胸高における形数と樹幹サイズ(樹高と胸高直径)との間に有意な相関は認められなかった。相対高0.5,0.6および胸高における形数( κ 0.5, κ 0.6 および κ b)において,スギとヒノキとの問で有意差が認められなかった。 κ 0.5, κ 0.6および κ bの平均値は,それぞれスギで0.903,0.808および0.622,ヒノキで0.902,0.799および0.612であった。これらのことから,提案した測度の中では, κ 0.5, κ 0.6および κ bが最も有効な測度であろうと考えた。