熊本県において実施されている「シカ被害調査」の2000年度および2001年度調査結果と各種GISデータを用いて,人工林剥皮害発生確率予測モデルを構築した。独立変数として地形因子(標高,傾斜),位置的因子(道路からの距離など)および植生因子(林業利用地セル数,耕作地セル数など)を用いた。ロジスティック回帰によるモデルを構築した結果,剥皮害の発生には標高,傾斜および道路からの距離が特に大きく影響していることが明らかとなった。また,樹種および林齢を因子として加えることによってモデルの適合度が向上した。さらに,構築したモデルを用いて熊本県全域の人工林について剥皮害発生確率を予測し,剥皮害発生ポテンシャルマップを作成した。