内陸防風林を対象として,林帯の過密な状態を改善するために行われた2度の本数調整(本数率で20.5%と38.5%)が防風効果に与える影響を調査した。対象林帯は屋外活動の環境を保全することを目的としている。防風効果は風下における許容風速(人間が不快に感じない風速)以下の範囲で判断することとし,伐採前後の地上1.5mの平均風速を測定した。その結果,風上の風速が2.9m/s未満では20.5%や38.5%の伐採を行っても防風効果は維持されるかもしくは多少減少すると判断された。風上の風速が2.9m/s以上では防風効果は隣接する公園全体のほぼ7割に及んでいると判断された。これらのことから,調査対象林帯で行った林帯維持のための本数調整によって,防風効果は伐採前と同じか,もしくは大きく低下しないことが明らかになった。