モウソウチクを対象として, 賦存量を資源量へと変換するために, 竹稈レベルおよび竹林レベルでの利用率を決定した。まず, 200本のモウソウチクの伐採データを用いて, 利用可能直径ごとに竹稈レベルでの利用率を決定した。竹稈レベルでの利用率は, 胸高直径が大きくなるにつれて, また, 利用可能直径が小さくなるにつれて高くなった。決定した利用率と既報において調製した一変数材積表とを組み合わせて, モウソウチクにおける一変数利用材積表を調製した。次いで, 求めた竹稈レベルでの利用率をもとに, 30個のプロットデータを用いて, 竹林レベルでの利用率を決定した。竹林レベルでの利用率も, 利用可能直径が小さくなるにつれて高くなった。また, 竹林レベルでの利用率は, 竹林の平均胸高直径によって変化する点に注意すべきであることが示唆された。本研究において決定した竹稈レベルおよび竹林レベルでの利用率は, モウソウチク林における賦存量を資源量へと変換する上で有効である。