菌床シイタケ害虫ナガマドキノコバエ成虫の生存日数, 産卵数, および産下卵の孵化率に対する, 餌条件 (重量比5%の砂糖水または蒸留水) および温度条件 (15°C, 20°C, または25°C) の影響を調べた。成虫の生存日数は, 砂糖水を与えた区 (7.0∼31.4日) が, 蒸留水を与えた区 (3.0∼6.9日) より長かった。産卵数も, 砂糖水を与えた区 (131.7∼281.8卵) が, 蒸留水を与えた区 (63.7∼152.2卵) より多かった。産卵は, いずれの処理でも羽化後1日目の成虫から行われた。累積相対産卵数が90%以上となったのは, 砂糖水を与えた区では5∼9日目であったが, 蒸留水を与えた区では3∼4日目であった。これらより, 本種は糖分の摂取により生存日数が延び, 産卵数が増えることがわかった。温度条件に着目すると, 産卵数は20°Cで最も多かった。各処理における産下卵の平均孵化率は29.2∼65.4%であり, 特に15°Cでは20°Cおよび25°Cに比べて有意に低かった。