スギの根元曲がりに対してダイアレル分析を行った。5親を供試した四つの自殖抜きフルダイアレル交配セットを対象に, 林齢10年次の調査データを用いて解析した。分散分析の結果, 三つのデータセットにおいて一般組合せ能力 (GCA) は交配親間に有意差が認められたが, すべてのデータセットにおいて特定組合せ能力は交配家系間に有意差が認められなかった。各交配家系について, 検定林平均値と両親のGCAの関係を検討した結果, GCAに有意差が認められた三つのデータセットにおいて, 各交配家系の平均値は両親のGCAから高い精度で推定できた。分散分析の結果, 一般組合せの正逆交配間差はすべてのデータセットに認められなかった。さらに, 交配親ごとに検定林平均値から算出した雌親平均値と雄親平均値がほぼ同じ値を示し, その関係が切片0, 傾き1の回帰直線で表されたことからも, 正逆交配間差はほとんど存在しないと考えられた。