京都府南部・京阪奈丘陵の大阪層群上に成立する二次林において, 林分構造とそれに関わる要因について検討した。27方形区を設定して毎木調査を行い, クラスター分析により類型化を行ったところ, 二つの大きな林分タイプが抽出された。一つはコナラを優占種とするタイプで, もう一つはアカマツおよびソヨゴを優占種とするタイプであった。それぞれの位置する土壌条件について比較すると, 前者は, 後者と比較して土壌硬度が大きい場所, すなわち礫を多く含む場所には存在しないことがわかった。樹齢の比較および既存の知見から, コナラは後から侵入もしくは定着したと考えられ, その後の成長速度が土壌条件に依存したことが分布の違いの原因として考えられた。