物性の異なる9種類の食品を用い, 刻み食へのとろみ添加の影響を, 物性測定, 官能評価, 咀嚼筋筋電位測定により検討した。さらに咀嚼物中の食片の粒度および咀嚼液の粘性特性の検討も行った。その結果, とろみの添加により, まとまりやすく, 飲み込みやすく, 食べやすくなると評価された。また, テクスチャー特性値の硬さは小さく, 付着性は大きくなった。しかし, 咀嚼筋活動の各特性値はとろみの有無間で有意差がなかった。咀嚼液の粘性特性は, とろみ添加により非ニュートン性が大きくなり, 食片の粒度は有意に大きかった。また, 刻む前の食品の物理的特性は, とろみをつけたきざみ食の特性に, 小さいながらも影響しているのではないかと考えられた。