本研究において, 岩手県に在住する健康度の高い85歳の在宅超高齢者について食生活の実態を調査した結果, 以下のことが明らかになった。 (1) 超高齢者の栄養状態は身体状況および血清アルブミン値よりきわめて良好であることがわかった。 (2) 超高齢者の欠食は3食とも極めて少なかった。 (3) 出現の高い料理内容は, 主食が白飯, 主菜は焼き魚, 副菜はお浸しおよび煮物, 汁物はみそ汁であった。 (4) 主なたんぱく質給源食品の出現はみそ汁に多くみられ, 次いで主菜であった。また, 野菜類の出現は, みそ汁と副菜に多く, 特に女性においては男性より副菜が有意に高かった。 (5) 今回の調査から,地域在宅超高齢者の健康度の高さは規則的な生活習慣と自家野菜や岩手県産品を用いた伝統的な食生活に支えられていることがわかった。